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異母・異父兄弟との相続|トラブルを回避するための注意事項

2023年10月02日
  • 遺産を受け取る方
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  • 相続
異母・異父兄弟との相続|トラブルを回避するための注意事項

厚生労働省が公表する「令和3年(2021)人口動態統計(確定数)の概況」によると、令和3年の山形県の婚姻件数は、3386件でした。

結婚した方のなかには、初婚ではなく再婚の方もいるでしょう。その場合、再婚前の配偶者との間に子どもがいる可能性があります。親が亡くなった場合には、異母・異父兄弟も相続人となるため、異母・異父兄弟との間で遺産分割の手続きを進めていかなければなりません。

しかし、両親を同じくする兄弟と異なり、異母・異父兄弟の場合には、遺産相続にあたって注意しなければならないポイントがいくつかあります。本コラムでは、異母・異父兄弟の相続とトラブルを回避するための注意点について、ベリーベスト法律事務所 山形オフィスの弁護士が解説します。

1、異母・異父兄弟に相続分はあるのか

異母・異父兄弟がいる場合の遺産相続は、どのようになるのでしょうか。まずは、異母・異父兄弟がいる場合の相続の基本事項について説明します。

  1. (1)異母・異父兄弟にも相続権がある

    異母兄弟とは母親が異なる兄弟姉妹のことをいい、異父兄弟とは父親が異なる兄弟姉妹のことをいいます。離婚し、そして再婚する夫婦が増えていることもあり、父や母が異なる形での兄弟姉妹ができるケースも多く見られます。

    民法では、「法定相続人」として相続が開始した場合の相続人の範囲を定めていますが、異母・異父兄弟であっても、相続権が認められています

    <法定相続人の相続順位>
    • 第1順位……子ども
    • 第2順位……直系尊属(父母や祖父母)
    • 第3順位……兄弟姉妹
  2. (2)異母・異父兄弟の相続分

    異母・異父兄弟には相続権が認められていますが、被相続人(亡くなった方)が親であるのか兄弟姉妹であるのかによって相続分が異なってくるため、注意が必要です。

    ① 被相続人が親である場合
    被相続人が親である場合には、その子どもが第1順位の相続人になります。子どもが複数いる場合には、子どもに割り当てられた相続分を子どもの人数に応じて按分するのが原則です。
    異母・異父兄弟が相続人になる場合でも、他の子どもとの間で相続分に違いは生じませんので、異母・異父兄弟と他の子どもの相続分は等しくなります。

    ② 被相続人が兄弟姉妹である場合
    被相続人が兄弟姉妹であり、兄弟姉妹に子ども(第1順位の相続人)、親(第2順位の相続人)がいないまたはすでに亡くなっている場合には、他の兄弟姉妹が遺産を相続することになります。
    この場合には、親が同じ兄弟姉妹と親を異にする兄弟姉妹との間で相続分が異なりますので注意が必要です。異母・異父兄弟の相続分は、親が同じ兄弟姉妹の相続分の2分の1となります。なお、配偶者は常に相続人となるため、被相続人に配偶者がいた場合、兄弟姉妹と配偶者が財産を分け合うことになる点にご留意ください。

2、認知されていない子どもの場合は?

父親が死亡して、異母兄弟がいることがわかったものの、異母兄弟が父親から認知をされていないというケースでは、遺産相続はどのようになるのでしょうか。

  1. (1)認知とは

    認知とは、婚姻関係にない男女間に生まれた子ども(非嫡出子)を、父親が自分の子どもであると認めることをいいます。

    母親の場合には、子どもを産むことによって親子関係にあることが明らかです。そのため、出産によって当然に法律上の親子関係が生じます。
    しかし、父親の場合には、母親が出産したという事実だけでは父と子どもの親子関係が明確化されないため、実際に血のつながりがあったとしても法律上は他人という扱いになるのです。それゆえに、父親と非嫡出子の親子関係を生じさせるためには、認知という方法をとる必要があります。

  2. (2)認知されていない子どもには相続権はない

    認知によって、子どもと父親との間に法律上の親子関係が生じます。それによって、父親は子どもに対する扶養義務が生じることになり、養育費の支払いをしなければなりません。

    また、父親が死亡した場合には、認知を受けた子どもは父親の子どもとしての相続権が認められているため、父親の遺産を相続することが可能です。以前は、嫡出子と非嫡出子との間で法定相続分に差異が設けられていましたが、現在は嫡出子と非嫡出子の法定相続分は等しいものとされています。

    他方、認知されていない子どもと父親との間には、法律上の親子関係はありません。たとえ血のつながりがあったとしても、その子どもの相続権は認められないため、認知されていない子どもは父親の遺産を相続できないことになっています。

3、異母・異父兄弟との相続|モデルケース

異母・異父兄弟が被相続人の遺産を相続する場合のモデルケースを挙げて、具体的な相続分を説明します。

  1. (1)被相続人が親であるケース

    父Aは、前妻Bとの間に子どもXが生まれた後に離婚をし、後妻Cと再婚してから2人の子ども(Y、Z)が生まれたというケースを見ていきましょう。

    父Aが6000万円の財産を残して死亡したとき、相続人と相続割合は次のようになります。

    • 後妻C(2分の1)
    • 子どもX(6分の1)
    • 子どもY(6分の1)
    • 子どもZ(6分の1)


    なお、配偶者の地位にはない前妻Bの相続権はありません。

    このように異母・異父兄弟がいたとしても、他の兄弟との間で相続割合に違いはありませんので、各相続人が取得することができる遺産は、以下のようになります。

    • 後妻C:3000万円
    • 子どもX:1000万円
    • 子どもY:1000万円
    • 子どもZ:1000万円
  2. (2)被相続人が兄弟姉妹であるケース

    父Aは、前妻Bとの間に子どもXが生まれた後に離婚をし、後妻Cと再婚してから2人の子ども(Y、Z)が生まれたとします。父Aと後妻Cはすでに死亡している状態で、独身の子どもYが死亡しました。このケースで、子どもYが6000万円の財産を残して死亡した場合における相続を考えてみましょう。

    この場合の相続人と相続割合は、以下のようになります。

    • 子どもX(3分の1)
    • 子どもZ(3分の2)


    このように、異母兄弟にも相続権が認められますが、異母兄弟の相続分は親が同じ兄弟の2分の1です。そして、各相続人が取得することができる遺産は、以下のようになります。

    • 子どもX:2000万円
    • 子どもZ:4000万円

4、異母・異父兄弟との相続は特に注意が必要

相続人に異母・異父兄弟がいる場合には、いくつかの注意点があります。

  1. (1)相続人に漏れが生じるおそれがある

    親から生前に異母・異父兄弟の存在を知らされていなかった場合には、他に兄弟姉妹がいないものと考えて遺産相続の手続きを進めてしまうことがあります。
    しかし、遺産分割協議を有効に成立させるためには、すべての相続人の同意が必要です。もし相続人に漏れがあったとなれば、すでに成立させた遺産分割協議は無効になってしまいます。

    相続人の範囲を確定させるためには、正確な相続人調査が必要になりますが、被相続人が離婚・再婚を繰り返している場合には、調査すべき戸籍が膨大になり、不慣れな方では見方がわからないということもあるでしょう。

    そのようなとき、相続人調査は弁護士にお任せください。弁護士であれば迅速かつ正確に相続人調査を行うことができるため、相続人に漏れが生じる事態を回避することが可能です。

  2. (2)異母・異父兄弟の所在がわからない場合が多い

    異母・異父兄弟がいたとしても、普段の生活で交流することがなく、相続が開始して初めて異母・異父兄弟の存在を知るということも少なくありません。異母・異父兄弟の住所だけでなく連絡先もわからないという場合には、遺産相続の手続きを進めることができなくなってしまいます。

    このような場合には、異母・異父兄弟の戸籍の附票を取得することによって、現在の住所を把握することが可能です。住所がわかれば、そこに手紙を送ることで異母・異父兄弟と連絡を取ることができます。しかし、その手紙に対して何の応答もないということもあるでしょう。

    このような場合には、弁護士が窓口となって対応することによって、スムーズな遺産分割を行うことができる可能性が高くなります。異母・異父兄弟としても、弁護士が間に入って説明をしてくれた方が安心して手続きに応じることができるはずです。

5、まとめ

異母・異父兄弟がいる場合には、親を同じくする兄弟姉妹だけの相続に比べて、相続トラブルが生じやすくなっています。

生じてしまった相続トラブルを解決したり、あるいはトラブルにならないようにしたりするためには、弁護士のサポートが不可欠です。

異母・異父兄弟との相続でお悩みの方は、ベリーベスト法律事務所 山形オフィスまでお気軽にご相談ください。遺産相続の知見豊富な弁護士が、最後まで親身になってサポートいたします。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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