顧問弁護士の選び方は? 5つのポイントや探し方、注意点を紹介

2024年09月18日
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顧問弁護士の選び方は? 5つのポイントや探し方、注意点を紹介

中小企業庁が公表している統計資料によると、2021年における山形県内の中小企業の数は3万4593社で、大企業の数は53社となっています。このことから山形県内の全企業のうち約99%を中小企業が占めていることがわかります。

顧問弁護士は、昨今厳しさを増すコンプライアンスの確保をはじめ、労働問題の対応、事業戦略の法的支援など、企業の規模を問わず、その必要性を増しています。しかし、自社に見合った顧問弁護士を選ぶためには、自社の事業への理解度があるか、法的課題への対応力はあるかなど、いくつかのポイントを踏まえて探す必要があります。

今回は、顧問弁護士の選び方や注意点などについて、ベリーベスト法律事務所 山形オフィスの弁護士が解説します。

1、顧問弁護士の役割とは

顧問弁護士にはどのような役割があるのでしょうか。以下では、顧問弁護士の役割について説明します。

  1. (1)契約書などが法的に問題ないかチェックする

    企業間の取引で取引相手から契約書を提示された場合、立場の弱い企業では、相手から提示された不利な条件を押し付けられるリスクがあります。

    顧問弁護士は、契約書の内容に法的問題点がないかリーガルチェックを行い、不利な条項があれば的確に指摘し、修正を求めることが可能です。取引相手に対しても「顧問弁護士から指摘を受けたため、修正をお願いします」と伝えることで、納得してもらいやすくなるでしょう。

  2. (2)労務管理や社内体制の整備

    企業は、従業員を雇って事業を展開しているため、しばしば従業員との労務トラブルが発生することは避けられません。

    しかし、残業代未払い、不当解雇、セクハラ・パワハラなどを理由に訴えられてしまうと、会社としての社会的信用性も大きく低下してしまうおそれがあります。

    顧問弁護士であれば、従業員との労務トラブルを回避するための労務管理や社内体制の整備のサポートを行うことができます。適切な労務管理や社内体制を整備することで、従業員との労務トラブルを最小限に抑えることができるでしょう。

  3. (3)日常的な法律相談

    企業活動において法的な疑問や悩みが生じたとしても、顧問弁護士がいればいつでもスピーディーに相談することができます。トラブルの芽を事前につむことで、予防法務の効果が期待できます。

    トラブルのたびに社外の弁護士を探し、相談の予約を取り、面談していては、解決すべきタイミングを逃してしまうおそれがあります。迅速な判断を迫られることの多い経営者にとっては、日常的に法律相談に対応してくれる顧問弁護士が強い味方になるでしょう。

  4. (4)法的トラブルへの対処

    顧問弁護士は、企業のトラブルを未然に防止するという予防法務だけでなく、実際にトラブルが生じた場合の対応も行っています。顧問弁護士であれば企業の実情をよく把握していますので、トラブルが生じたとしても迅速かつ適切に対応することができますので、被害を最小限に抑えることが可能です。

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2、顧問弁護士を選ぶ際のポイント5つ

顧問弁護士を選ぶ際には、以下の5つのポイントを押さえて選ぶとよいでしょう。

  1. (1)企業規模に応じた法的課題への対応力

    企業経営においては、法的な課題は常につきまといます。どのような法的課題が生じるかは、企業規模に応じて大きく異なりますので、企業規模に応じた対応力があることが顧問弁護士選びのポイントのひとつとなります

    大企業のM&Aや渉外法務を中心に扱う弁護士であっても、中小企業が抱える法的課題への対応力は低い可能性はありますし、その反対も同様です。一口に企業法務を扱う弁護士とみなさず、自社に合った弁護士を探すことが大切です。

  2. (2)コミュニケーション能力

    顧問弁護士は、企業のいわば「かかりつけ医」として、継続的に企業の法的サポートをしてくれる存在です。長期的に付き合っていくことになりますので、弁護士との相性やコミュニケーション能力は、より良い関係を築くうえで不可欠な要素となります

    企業としても気軽に相談できないような弁護士だと顧問弁護士を依頼した意味がありません。

    以下のようなポイントを踏まえて弁護士を選ぶとよいでしょう。

    • レスポンスのスピードが速い
    • 質問に対して必要十分な回答をしてくれる
    • 弁護士の側から積極的に提案をしてくれる
    • 相談しやすい人柄であること
  3. (3)自社業界・業種への理解度

    企業によって取り扱う業務や業種は大きく異なり、業界・業種ごとの特有の商慣習やルールが存在します。企業間のトラブルを予防し、トラブルに対応するにあたっては、このような業界・業種特有の商慣習やルールの理解が不可欠となります。

    自社業界・業種への理解度が低い弁護士だと事業やトラブルの原因などを一から説明しなければならず、トラブル対応に着手してもらうまでに無駄な時間を要してしまいます。

    そのため、顧問弁護士を選ぶ際には、自社業界・業種への理解度が高い弁護士を選ぶ必要があります

  4. (4)交渉力と裁判外の解決能力

    トラブルが生じた場合には、最終的に裁判により解決することになりますが、裁判前の相手との交渉もトラブル解決の重要な手段です。

    裁判になるとその対応に時間や手間を割かなければなりませんので、社内の貴重なリソースが失われてしまい、本業にも支障が生じるおそれがあります。また、裁判になっていることが公になれば、会社の評判にも悪影響が生じてしまいます。

    そのため、裁判対応だけでなく裁判外の交渉にも力を入れている弁護士を選ぶようにしましょう

  5. (5)サポート体制

    企業側からの相談に対応するのは顧問弁護士の当然の役割ですが、顧問弁護士の側から積極的な情報発信があるかどうかも顧問弁護士選びのポイントのひとつとなります。

    企業が取り扱う業務や業界によっては、頻繁な法改正がなされることもあります。法改正の都度、法改正のポイントを把握しなければならないのは、企業にとって大きな負担となります。顧問弁護士であれば会社の事業に必要な法改正のポイントをまとめて情報提供するサポートも可能です。

    このように顧問弁護士が提供するサポート体制も踏まえて顧問弁護士を選ぶとよいでしょう

3、顧問弁護士を探す方法

顧問弁護士は、以下のような方法で探すことができます。

  1. (1)インターネットで検索する

    最近では、ホームページを作成している法律事務所も増えてきていますので、インターネットで検索することで弁護士を探すことができます。

    ホームページ上で企業法務を取扱業務として掲載しており、具体的な取り扱い分野が自社の業種・業界に合致している弁護士であれば、安心して任せられる可能性が高いでしょう。

  2. (2)知り合いからの紹介

    企業の経営者は、独自の人脈やネットワークがありますので、それらを駆使して顧問弁護士を探すこともできます。自社の同じ業種・業界の経営者からの紹介であれば、業種・業界に特有の商慣習やルールを理解している可能性が高いため、自社にマッチした顧問弁護士が見つかる可能性があります。

    また、初めて会う弁護士だと人柄やコミュニケーション能力などを把握するのが難しいですが、知り合いからの紹介であればそのような心配もありません。

  3. (3)弁護士会からの紹介

    各都道府県には、その地域で活動する弁護士が所属する「弁護士会」という組織が存在しています。弁護士会では、顧問弁護士の紹介も行っていますので、弁護士会に依頼することで、無料で顧問弁護士の紹介を受けることができます。

    ただし、弁護士会からの紹介では、自社の業界・業種に詳しい弁護士を紹介してもらえるとは限りません。

4、顧問弁護士を選ぶ際の注意点

顧問弁護士を選ぶ際には、以下の点に注意が必要です。

  1. (1)弁護士事務所の実績を確認する

    企業法務の経験や実績により、弁護士の能力は大きく変わってきます。そのため、顧問弁護士を選ぶ際には、企業法務に関する経験豊富な弁護士を選ぶことが大切です。

    弁護士事務所の実績の有無については、ホームページで確認することもできますし、実際に相談した弁護士に直接尋ねてもよいでしょう。

  2. (2)情報管理体制とセキュリティー対策を確認する

    顧問弁護士は、顧問先企業の個人情報や機密情報を取り扱いますので、万が一、個人情報や機密情報が流出してしまうと、企業にとっては大きな損害となります。そのため、顧問弁護士を依頼する際には、当該事務所の情報管理体制とセキュリティー対策の確認が必要です。

    情報管理体制については、弁護士事務所のプライバシーポリシーなどを確認し、セキュリティー対策については、不正アクセスやデータ漏えいに関する具体的な対策を確認してみるとよいでしょう。

  3. (3)料金体系や顧問料

    企業の規模によって顧問弁護士に相談する頻度や回数は大きく異なります。企業規模にかかわらず一律の顧問料が設定されている弁護士事務所だと、毎月の顧問料の負担が大きくなってしまいます。

    そこで、顧問弁護士を依頼する際には、料金体系や顧問料をしっかりと確認することが大切です。企業の規模や顧問弁護士を必要とする事情などを踏まえて、適切な料金を設定してくれる弁護士事務所であれば、経済的な負担を抑えつつ、顧問弁護士を利用することが可能です。

5、まとめ

顧問弁護士を選ぶ際には、自社業界との相性がよいかを確認することが大切です。また、弁護士と直接面談する際にはコミュニケーションが取りやすいかどうか、経営者の立場を理解して提案してくれるかどうかに注目することも顧問弁護士選びのポイントのひとつとなります。

ベリーベスト法律事務所では、弁護士以外にも税理士、司法書士、社労士、弁理士、行政書士などさまざまな法律家が在籍しており、ワンストップであらゆる業種・分野の相談が可能です。また、月額3980円からの顧問弁護士サービス「リーガルプロテクト」もご提供しております。弁護士をお探しの経営者の方は、まずはお気軽にベリーベスト法律事務所 山形オフィスまでお問い合わせください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています